レコードを聴く猫

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アルトによるワンホーンの佳作

John Handy Ⅲ / Jazz ( 米 Roulette Records R-52121 )

 

実力満点だったにもかかわらずアルバム制作には恵まれずに適正な評価を受けられなかった人は多いが、このジョン・ハンディもその1人。大学で音楽の教育も受けてミンガスのバンドでも見事な演奏を披露していたが、年齢的にジャズが下火になり始めた時期にぶつかったこともあってソロ名義で残されたレコードは微妙なものが多い。純ジャズは最初に契約したルーレットに残した3枚までで、次のコロンビアでは時代的にオーセンティックなものをやる雰囲気ではなく、音楽的にはかなり苦戦している。そしてその後はライトなソウル・フュージョン路線になっていった。

 

3作目のこのアルバムはアルトのワンホーン・カルテットで、まるでソニー・スティットかソニー・クリスかというような演奏をしている。アルトの音色もそうだし、ゆったりとしたミドルテンポが続くところもそうだし、そして何より明るく陽気で楽天的なムードがそっくりだ。元々は一癖ある奏者なんだろうという先入観があったので最初にこれを聴いた時にはこの2人にあまりによく似ているので驚いたものだが、ナチュラルで清潔感ある伸びやかなアルトはスティットやクリスよりも好ましいと思った。

 

たださすがに60年代に入ってこういうアルバムを出し続けるのは難しかっただろうというのは容易に想像できる。50年代であれば傑作と言われただろうが、ジャズ自体が迷走する60年代にこれを続ければ時代錯誤と言われて叩かれるのが落ちだ。シーンに登場するタイミングが遅かったのは本人のせいではないとはいえ残念だった。

 

 

John Handy Ⅲ / Jazz ( 米 Roulette Records SR-52121 )

 

モノラル盤で聴くとソニー・スティットのアルバムを聴いているような感覚だが、ステレオ盤で聴くとソニー・クリスを聴いているような錯覚を覚える。残響豊かな音場感が素晴らしい。どちらも目の覚めるような高音質で甲乙付け難いが、私はステレオ盤の方をよく聴く。